ビルメンテナンス業界が底辺産業呼ばわりされるのは、ひとえに低賃金だから。
じゃあ高賃金にしていけば、良い人材が集まって、高生産になって業績もアップするかと言えば、確かにそうだけれど長年の慣習が邪魔をしてそう簡単にはいかないよ、という「言い訳」がすぐに出てきてしまう。
やってみれば、なんとかなるよといい加減なことを言っていてもいけないが、だからと言って体制を整えるまで、と言い訳している企業には永遠に体制が整う日は来ない。
企業は結局、人次第で、何をやるかより、誰とするかの方が何十倍も大切である。
今回ご紹介の記事には、資本装備率を上げて労働生産性を向上させることが困難なサービス業においては、国の助成金を活用しながら賃上げに対応していくしかないような意見もあるが、これは昨今はやりのDX、もしくはDXとまでいかなくてもIT活用を工夫するだけでもやりようはいくらでもあるはずで素直にうなずけない部分もあるが、それでも労働分配率や労働生産性を意識してマネジメントしているビルメン企業がどれほどあるだろうかと考えると暗澹たる気分になる。
逆に言えば、この基本だけでも押させてマネジメントできればすぐにでも優良ビルメン企業となれるはずなのにである。
ご紹介の記事内のカテゴリをつまみ食いしても、大きな効果は得られないと思うし、全体の施策のバランスが大事だと感じますが、とても有用な示唆を与えてくれます。
以下、タイトルのみアップしておきます。ぜひチェックしてみてください。
■理想的な労働生産性と労働分配率は
■最低賃金を1,500円に引き上げられるとどうなるか
■伸び悩む中小企業の労働生産性
■資本装備率を上げて労働生産性を向上させる
■日本の会社の非効率さを挙げると
■社員がクリエイティブに働かないと会社も儲からない
■会社がより多く儲けるための賃上げとは
【参考サイト】最低賃金1,500円時代の「労働生産性」について考える – 河野創(社会保険労務士)
昨年10月から最低賃金が全国一斉に引き上げられた。東京都では時給が1,013円から1,041円になり、全国平均では902円が930円になった。コロナ禍の不況のなかではあるが年率3%程度を目途として名目GDP成長率にも配慮しつつ引き上げていくという政府の方針によるものだろう。
コロナ禍でマイナス成長を続ける日本において、業績不振の業界で苦しむ企業の経営者には、最低賃金の引き上げなどとんでもない、雇用を守るだけでも精一杯だと考える方もいるだろう。賃金引き上げが人員削減につながる可能性もある。
とはいえ、OECDの調査では日本の平均賃金は欧米主要国を下まわって韓国にも抜かれている。統計の取り方もあるが2019年の平均賃金(年収)は韓国が4万2285ドル、日本が3万8617ドルとなっている。
衆議院選挙で今すぐ賃上げを、と各党が掲げるほど切実な問題になってきた。筆者は賃金を上げるべき、特に最低賃金は大幅に引き上げるべきと強く考えているが、そのためには「賃上げができる状況」を作り出すことが最も重要だ。
中小企業の雇用と賃金の現実に直面する社会保険労務士として、最低賃金の引き上げについて、労働分配率と労働生産性の視点から考えてみたい。