マンション管理組合が理事会を必要としない夢のようなシステムが開発されたのか⁈
一瞬思いましたが、記事を読んでいていろいろ疑問も湧きました。
「マンションの経年劣化に伴う修繕工事に対する専門的な対応の必要性」
「コロナ禍における理事会招集」
「役員業務を担う上での時間的拘束」
「区分所有者間の合意形成の複雑さ」
「高齢化に伴う役員の成り手不足」
など、マンション管理組合の運営に対する負担を感じている区分所有者は少なくないわけです。
そのとおりなのですが、まず住人の高齢化が進んでいるマンションにおいて、オンライン上の採決に参加できる人がどれだけいるかですね。
さらに、理事化が必要ないってどういうことなのだろう?と思ったのですが、管理会社が長期修繕計画などを創ってくれたものに対して、住民全員で話し合い。最終的に住民投票で、実施可否を決定するとのこと。
確かにそのとおりですが、それなら今までのほとんどのマンション管理組合の根本の問題である管理会社のいいなりになっていないかの問題解決にはなっていないですね。
マンション管理の原則は管理組合そして理事会が主体として、管理会社を使うことにあります。主は管理組合で従が管理会社なのです。
ここの大原則をまずしっかり住人が認識しなければいけません。
どうしたってほとんどのマンション管理組合そして理事会よりも管理会社の方が経験、知識あります。マンション住人(区分所有者)はいいなりになりがちです。
そのために、公平なアドバイスをくれる第三者の意見を求めなければいけません(例えばマンション管理士など)。
マンション管理組合(理事会)と管理会社、そして経験豊富な第三者(コンサルタントやマンション管理士)のお目付けも借りながらのマンション管理の中で、このような管理会社の便利なシステムも活用させてもらう。というのが、健全なマンション管理というものではないでしょうか。
WEBが使えない住人(結構いるはず)が取り残されないように、そもそも理事会や総会でこのシステムだけでマンション住人の意思決定をすべて賄うという採決が通らないと思いますが、従来のアナログとのハイブリッドでの運用というのがしばらく現場のマンション管理においては続いていく、というのが現実ではないでしょうか。
【参考サイト】長谷工が分譲マンションの管理組合向けにWebサービス提供、“理事会無し”で合意形成が可能に
長谷工グループは、分譲マンションの管理組合で現在、新型コロナウイルス感染症の影響で理事会を開きにくいことや修繕計画などで住民間の合意形成が難しくなりつつあることを受け、区分所有者向けにWeb上でコミュニケーションを図れる新サービスを提供する。
分譲マンション管理組合向けの受託サービス「smooth-e(スムージー)」の初期開発が完了し、2021年8月よりサービス提供を開始する。
smooth-eは当初、長谷工コミュニティが管理受託するマンションのうち首都圏及び関西圏の管理組合計10数件で順次導入を進めつつ、さまざまなニーズに応えられるように追加機能の開発も行っていく。