「ビルOS」とはなんでしょうか。 私たちにとって身近なOSといえばWindowsやMac、iOSやAndroidです。これがあるおかげで、PCやスマホで各種のアプリを使うことができています。ビルOSでは建物にその概念を導入しようというシステムで、これが実現すれば、スマホをカスタマイズするかのごとく、建物のシステムを組み立てられるようになるそうです。
建物内の設備やシステムに関わるデータを収集して、蓄積、連携する機能を備えたものでスマホのiOSみたいなもののようです。複数の拠点において建物内の各設備が保有している様々なデータや制御等の管理ポイントをクラウド上で統合管理し、データの分析や活用したサービス提供、遠隔監視、複数拠点の一元管理等を可能にするプラットフォームです。
従来のビル管理では、ビルオートメーションシステム(BAS)というものを通して、中央で一括管理を行なっていました。空調や照明などの各システムを連携させることは可能ですが、多種多様なメーカーの製品を連動させるのは大変で、ビルごとにオリジナルのシステムを作る必要がありました。
最近、オフィスビルや病院などの建物にはビルオートメーションシステムと呼ばれるシステムが導入されています。これによって建物を一元管理し、省エネや省人化につなげることが目的ですが、BASは建物ごとに完結したシステムのため、機能の拡充や短い周期でのアップデートが難しいのです。しかし「ビルOS」では、このデータをクラウド上で管理し、エネルギー管理や遠隔監視、複数拠点を一元管理することで、建物のシステム、設備だけでなく、テナントで使用されているシステムや働いている人のデータについてもプラットフォーム上でデータ化して、それらを活用することで、新たなサービスを生み出せるようになります。
iOSやAndroidは、携帯電話をスマート化し、世界に大きな革新を起こしました。ビルOSは、それと同様にビルをスマート化させる存在です。
ビルOSの開発は、まだ草創期にあります。どのようなアプリがあれば利便性が高まるのか、精査していく段階みたいですが、なんだかビルメンの未来もすごいものになっていきそうで、ワクワクしてきますね。
【参考サイト】パナソニックが実用化を目指す次世代のオープンビルプラットフォーム「ビルOS」とは何か?
パナソニック エレクトリックワークス社は2024年2月、福岡地所と共同で次世代オープンビルプラットフォーム(ビルOS)に関する実証実験を実施することを発表した。この実証実験により、空調、照明、エレベーターなどビルの基本設備の操作、それらのリアルタイムデータ及び蓄積されたデータ群を、統一的なAPI(Application Programming Interface)として提供し、アプリケーションを開発できる建物モデル構築の足掛かりとなるものとなるという。
現在、エネルギーや労働問題など都市が直面する様々な課題を解決するために、IoTやAIなどの先端技術を建物やまちづくりに取り入れたスマートビル、ビルOS(建物OS)といった新たな技術開発が進められている。グローバルな取り組みでは、IEA(国際エネルギー機関)が推進しており、日本でもIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が中心となって、ガイドラインの策定を行なっている。
ここでいう「ビルOS」とは、建物内の設備やシステムに関わるデータを収集し、蓄積、連携する機能を備えたものを指す。複数の拠点において建物内の各設備が保有している様々なデータや制御等の管理ポイントをクラウド上で統合管理し、データの分析や活用したサービス提供、遠隔監視、複数拠点の一元管理等を可能にする画期的なプラットフォームだ。