「10社に3社近くが是正指導」という数字は、業界内に衝撃をもって受け止められています。特に書面交付義務違反が前年の9.3%から17.0%へ大幅増加した点は見逃せません。デジタル化推進の流れの中で書類管理がむしろ疎かになっているとすれば本末転倒です。2026年4月施行の改正法で「利益相反取引の事前説明義務」が加わったことも踏まえると、今後の検査では更に厳しい目が向けられるでしょう。管理組合・建物オーナー側も「管理業者に任せきり」でなく、法令遵守状況を確認する意識が求められる時代です。
国土交通省は2026年5月29日、2025年度のマンション管理業者への全国一斉立入検査結果を公表した。全国112社のマンション管理業者を検査し、27.7%にあたる31社に対して是正指導を実施。主な違反は「契約成立時の書面交付義務違反」(19件、指導率17.0%)と「重要事項説明義務違反」(16件、14.3%)で、いずれも前年度比で増加傾向にある。全31社については是正等が確認済みとのことだが、業界全体の法令遵守意識のばらつきが改めて浮き彫りになった。また2026年4月施行の改正マンション管理適正化法を踏まえ、今後は管理業者管理者方式における利益相反取引の事前説明義務を重点指導項目に加える方針だ。

