労働安全衛生マネジメントシステムを法令に取り込んで以降、わずかながら事故・災害防止の後追い行政に改善が見られる日本。しかし、実際に事故や災害が起きてからでないと法令などの見直しに着手できない構造は旧態依然のままである。
いざ災害が起きれば大災害につながりかねない石油・化学プラントの保安分野で長年働いてきた2人が本書の執筆陣で、片や“リスクベース”のアプローチが根付く米国系企業で30年間も働いてきた経験があるためその主張は説得的だ。
なかでも、2005年に米国テキサス州の製油所で起きた史上最悪規模の爆発事例をもとに展開する“3つのバリア”論は必見で、日本人が陥りがちな「法令順守」の上を行く考え方と企業トップの役割がいかに重要かが手に取るように分かる。
安全衛生本。いろいろな事例や方法を知っておくのはいいことです。自分たちの現場で参考になることあるかもと考えながら読みます。他山の石としないで参考にします。いろいろ現場の方たちと話し合う機会を定期的に持ちます。その繰り返しだと思います。 それにしても経営トップの本気度が全てとの帯は刺激的ですね。まあ昨今は安全衛生に関わらず、マネジメント、業績すべからずトップ、リーダー次第ですね。昔はリーダーがいまいちでも優秀な部下がついていればなんとかなったものですが・・・・(笑)。